大奥

大奥の女中のお給料は?サラリーマンよりも多く稼いでいた実情とは!

大奥というと、「女の園」「ドロドロの愛憎劇」などのイメージが強い方も多いと思いますが、実は、自ら大奥に志願して入った方も多くいらっしゃるのはご存知でしょうか?

その理由は簡単。

  • お給料が高いから
  • きちんと礼儀作法などを学んだ良いお嬢さんだと思われるから

大奥の女中はかなり高額なお給料をもらっていました。
女中には身分制度があったのですが、一番下の「御末(おすえ)」「御半下(おはんした)」と呼ばれる身分のひとでも、当時よその家の奉公に行ったときの倍以上の相場のお金をもらっており、それを実家に仕送りしていた人もいたのです。

というわけで今回は、
大奥の女中のお給料事情について詳しく解説していきたいと思います。



 

大奥の身分制度とは?

まず、大奥の身分制度をご紹介していきたいと思います。

大奥には大きく分けて2つの身分制度があり、それは「お目見え以上」「お目見え以下」というものでした。
その違いは簡単。「将軍や御台所(正妻)と対面することができるかどうか」です。

また、「お目見え以上」であっても「お目見え以下」であっても、大奥の女中は上級女中たちが自分たちのお給料から私的に支払って雇った女中でない限りは、幕府からお給料を直接もらっていました。つまり、幕府の役員と同じように一番下の女中であっても直奉公ということだったのです。

お給料の種類

ではここでお給料の名称について詳しく解説していきます。
お給料は今のようにお金をそのまま渡す式ではありませんでしたし、内訳がありました。

御切米

まずは基本給の御切米です。基本給はお米で支払われていました。時期は5月と10月。この米を米問屋で換金して生活費に換えていました。
ちなみに1石=150kgになります。今回はわかりやすく10kgを5千円で計算したとき、1石=75,000円として考えました。

御合力金

続いて衣装・化粧代です。諸大名から現金で献上されて、それを幕府が一括して分配していました。
1両=75,000円で計算しています。

御扶持

こちらは毎日食べるお米代です。給料とは別にご飯代がありました。
「〇人扶持」というのは自分を含めた人数分になります。例えば10人扶持だと、自分とそれ以外の9名分となります。

その他

その他のお給料として、「湯之木(薪代)」「油(灯に使う)」「五菜銀(味噌や塩を買う、調味料代+五菜(男性の使用人)の給料」というものもありました。

お目見え以上について

ではまず、お目見え以上の身分とその内容、給料などをご紹介していきたいと思います。

上臈御年寄(3名)

将軍や御台所の相談役、名誉職であり実権は持たない。御台所がお輿入れしたときに京からついてきた人も多く、公家出身も多い。
給料・・・切米50石(約375万円)、合力金60両(約450万円)、10人扶持、その他。

小上臈

上臈御年寄の見習い。
給料・・・切米50石(約375万円)、合力金40両(約300万円)、5人扶持、その他。

御年寄(7名)

別名老女。大奥の実際の最高権力者。女性版老中。幕府の実際の政治にも加担してこれるくらいの力を持つ人もいたらしい。
給料・・・切米50石(約375万円)、合力金60両(約450万円)、10人扶持。+α屋敷、その他

御客会釈(5名)

将軍付きの仕事で別名「御客応答」。接待担当でベテランの女中の隠居職。接待相手は将軍や諸大名、お使いの女中など。
給料・・・切米25石(約187万円)、合力金40両(約300万円)、5人扶持、その他。

中年寄(2名)

御年寄の代理役と献立係。毒見係もしていた。
給料・・・切米20石(約150万円)、合力金40両(約300万円)、4人扶持、その他。

御中臈(8名)

将軍や御台所の身辺の世話係で、見た目も綺麗で名家の令嬢が選ばれた。なぜならここから側室が誕生するから。
給料・・・切米12石(約90万円)、合力金40両(約300万円)、4人扶持、その他。

御小姓(2名)


御台所の小間使い。6歳~16歳程度の少女がこの役割を担っていた。

御錠口衆(7名/補佐2名)

将軍付きの仕事で「上ノ錠口」を管理。将軍からの使者の仲介役。補佐役の「助」という役の者もいた。
給料・・・切米20石(約150万円)、合力金30両(約225万円)、5人扶持、その他。

表使(7名)

「下ノ錠口」の管理担当。役人と交渉する大奥の顔。物資の調達役で外交官であったため、コミュニケーション能力も求められた。
給料・・・切米12石(約90万円)、合力金30両(約225万円)、3人扶持、その他。

御右筆(5名/頭2名)

大奥の司書係。日記から諸大名などの書状まで公文書を管理する。献上品の検査も担っていた。
給料・・・切米8石(約60万円)、合力金25両(約187万円)、3人扶持、その他。

御次(7名/頭2名)

御膳から様々な道具を運搬したり、対面所の掃除をしたりと動き回る仕事のため、ここから御中臈に出世することも。
結構目立つ仕事だった。
給料・・・切米8石(約60万円)、合力金25両(約187万円)、3人扶持、その他。

御切手書(4名)

将軍付きの仕事で「七ツ口」を通る来訪者の持っている通行手形(御切手)の確認をする人。関所の門番のような役割。
給料・・・切米8石(約60万円)、合力金20両(約150万円)、2人扶持、その他。

御伽坊主(4名)

髪の毛を剃った坊主頭の女性で、年齢は50代程度。頭を剃って坊主のような見た目にすることにより、将軍のいる中奥への渡りも許されていた。
将軍の雑用係をし、奥に泊まる際には伽(とぎ・夜とぎ)の相手を指名する役目をしていた。
給料・・・切米8石(約60万円)、合力金20両(約150万円)、3人扶持、その他。

呉服之間(10名/頭1名)

将軍や御台所の衣装を仕立てる部門。針を1本でも落とすと見つかるまで寝ずに探さなければならなかった。
給料・・・切米8石(約60万円)、合力金20両(約150万円)、3人扶持、その他。

御広座敷詰(10名)

将軍付きの仕事で、表使の下働きをしたり、大奥に女使が来訪したときの対応役の担当だった。
給料・・・切米5石(約37万円)、合力金15両(約112万円)、2人扶持、その他。

お目見え以下について

続いてお目見え以下です。
一番下の御半下や御末は町人などの娘もなる事ができましたが、それにもきちんとしたオーディションがあったようです。
ちなみに町娘が女中になれた理由としては、力仕事ができる女性が欲しかったからとのこと。

しかも、町娘が大奥に奉公に行っていたとなると、かなりその女性の価値が上がりますし、礼儀やマナーもしっかり叩き込まれたお嬢さんだと思われたのです。
そのため、町人の娘もこぞって大奥へ入るオーディションを受けたと言われています。

御三之間詰(10名/頭1名)

御三之間より奥の部屋の掃除や御年寄などの上位の女中の詰め所の掃除や雑用係。身分の高い家の娘はここからスタートすると言われており、御中臈やお目見え以上の登竜門。出世のスタートライン。
給料・・・切米5石(約37万円)、合力金15両(約112万円)、2人扶持、その他。

御仲居(6名)

御膳所(キッチン)で料理担当。大奥専門の調理人。
給料・・・切米5石(約37万円)、合力金7両(約52万円)、2人扶持、その他。

火之番(13名)

大奥の警備員。昼夜関係なく大奥を巡回して火の用心を呼び掛ける。
給料・・・切米5石(約37万円、合力金7両(約52万円)、2人扶持、その他。

御茶之間(不明)

御台所の食事の際のお茶等の世話をした。
給料・・・切米4石(約30万円)、合力金7両(約52万円)、2人扶持、その他。

御使番(13名)

「下ノ錠口」の開閉・役員との取次・文書や贈り物の受け取りも行った、文字通りお使い。事務管理。
給料・・・切米4石(約30万円)、合力金5両(約37万円)、1人扶持、その他。

御末・御半下(50名)

水仕事、掃き掃除、駕籠の掃除など、大奥の雑用で彼女たちの頑張りで綺麗な大奥が保たれていると言っても過言ではない。
給料・・・切米4石(約30万円)、合力金2両(約15万円)、1人扶持、その他。

最後に

一番下の御末でも食べる分のお米とは別に30万円のお小遣いと15万円の衣装代がもらえていたとなると・・・確かに実家に仕送りするくらいの余裕はあったかもしれませんし、待遇としては素晴らしい働き口でした。
上の位の人たちの衣装や化粧代の尋常じゃない金額には驚きを隠し切れませんが、こんなにお給料を支払っていると、幕府の財政が幕末にひっ迫したのは大奥のせいと言っても過言ではないでしょうね。

こんな夢のようなお給料をもらえる大奥、一度体験してみたい人もいるのではないでしょうか?

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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